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儀礼の象徴性 (岩波現代文庫)

, 青木 保

によって 青木 保
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受賞歴 第7回(1985年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞 内容(「BOOK」データベースより) タイの仏教儀礼や英女王の戴冠式などを例に、儀礼とコミュニケーション、儀礼のことば、儀礼と国家との関係を考察する。国家儀礼は国と社会の統合の中心を具体的に示す装置であることを明らかにし、境界状態、リミナリティ、コミュニタスといった概念によりながら、儀礼がいかに人間の存在にとって本質的な問題であるかを追究する。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 青木/保 1938年東京に生まれる。東京大学大学院(文化人類学専攻)修了。大阪大学で博士号(人間科学)取得。大阪大学、東京大学などの教授を経て法政大学大学院特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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「人間はなぜあいさつをするのか」という単純な疑問を動機としてこの本を購入したのだが、その中身といえば、出発点となる「儀式」「儀礼」の定義から始まり、そこから派生していく体系の複雑さ、そして多角的な論点を丁寧に整理して発展させていくゆえ、非常に学術性の濃い内容となっている。社会を、日常と非日常(儀式)の対立とするのではなく、「儀式」と「遊び」の間に位置するものと捉え、ヒトはどちらにも偏りすぎず、バランスをとりながら、社会秩序が保たれている。日常の不確実性ゆえ、ヒトは「真実」を求め儀礼に関わり、反動として「嘘」を求め遊びに接するという。また儀式の強い拘束性ゆえ、それは国家の発生以前から存在し、そして、儀式を盛大に発展させていった政治組織が、国家の起源でもある。儀式は、パフォーマンスや何らかのメッセージを発信するゆえ、国家の統合に不可欠なものであり、常に新たな創造や補強を繰り返していく。しかし、儀式は拘束だけでなく、地位といった社会的束縛からの解放を与えるものでもある。このように、儀礼や儀式は、語るうえで分析すればするほど、「両義性」「矛盾性」という言葉とは切り離せないに関係であることがわかる。「人間はなぜあいさつをするのか」といった単純な疑問から「人間は儀式的動物である」という命題まで扱う本書の儀式、儀礼への論理的追求は、誠に多くの知識と教養を与えてくれる有用な書である。

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