ハイブリッドアジャイルの実践

最初に「アジャイルを実践したいのでしょうか、それともプロセス改善をしたいのでしょうか」と始まるように、アジャイルの導入はあくまで手段にすぎない、目的がぶれないようアジャイルは必要な方法論のみ導入すればいいと、とても実践よりの目線で紹介されていて、非常にわかりやすいと感じました。読み進めると、国内や海外でのアジャイルの適用状況とその背景、改善の目的毎に実際どのような手順で進めるか？、計画を立てるときのポイントは？など、あくまで日本国内の現状に合わせて、現実的で柔軟な運用が大事だと説明されていて、読んでいてすんなり頭に入ってきます。後半は実践編と称して、関西電力での具体的なアジャイル導入例を基に、行った施策と効果があった点、なかった点が分かりやすくまとまっている。実際の開発者の肯定的な意見、否定的な意見も両方掲載されており、メリットとデメリットがわかりやすかったです。一度、通して読んだ後に、現場に置いておいて、困った時にいつでもひっぱり出して辞書のように調べたい、そんな本でした。