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福島原発作業員の記

, 池田 実

によって 池田 実
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 池田/実 1952年東京生まれ。1970年郵便局に就職。2013年定年退職。2014年福島県浪江町で除染作業に従事。2014年~15年福島第一原発で廃炉・収束作業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者は郵便局の外勤として首都圏で長年勤務した方です。退職直前に原発事故が発生したため、第二の人生の内2年余りを除染と廃炉作業にささげる決断を下しました。冒頭で問題提起されるのは郵便局員の組合が早々に安全宣言を出し、その後全村避難が決定する飯館村でも集配作業を行っていた事です。後で明るみになって行った初期被曝線量の多さを考えるとこれは問題でしょう。飯場での生活とそこでの細々としたトラブルは他の原発作業者本とも通じる内容で、新味はありませんでしたが、読んでいて頷ける点が多いと感じたのは組織人としての視点から現場運営の問題を淡々と指摘していることです。特に、元々の系列関係からタテ割り化した組合運営の姿を(外様として)描いたもの(第7章)は、初めて目にしました。原発には様々な機器があり、メンテナンス段階でもそれぞれの機器メーカーごとに分かれてしまうのはある意味合理的な運用ではあるのですが、物量が物を言う下請最下層の人夫出しとなると、系列を問わぬ転職話もあるようです。第2章P100のアスベスト問題は初耳。P109以降、アトックス下請けとして行った1・2中操の清掃作業(書類・作業服等の処分)は非常に興味深いです。中操にアダルトビデオとはね。東電社員とアトックス社員のボーナス額の圧倒的格差は泣けます。しかし、サービス建屋にある文書は皆汚染物として処分というのは残念ですね。吉田所長が挨拶文を載せたのは全店所に配布する社報『とうでん』ではなくイチエフの所内報『原子力ふくしま』か。その後も構内の破壊・放棄された各所を回って清掃作業に従事し、随時同僚から過去の話や表沙汰に出来ない裏事情を聞かされます。この辺、ジャーナリストのように無理して「取材」しようとしてない分、信頼度は高いと思われます。著者による細々とした用途や設計思想の推測も他の原発技術本、イチエフ関係の専門誌論文にあった内容と概ね整合しているように思います。休日に仮設住宅や市街地を見て回るのは、竜田一人などとも共通しますね。根底となる価値観にずれはありますが、報道で強調される噂とのギャップを埋めたい気持ちは理解できます。『イチエフ』が合計数ヶ月の労働を3冊かけて描いて2000円弱に対し、本書が2年の労働を文章化して1600円、観察者としてのレベルの高さを加味すると本書の方に軍配を上げたいと思います。

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