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歴史群像 2014年 10月号 [雑誌]
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内容紹介 特集データで読み解く母艦航空隊の死闘【徹底分析 日米空母撃滅戦】開戦以来、無敵を誇る日本機動部隊に対して、いまだ十分ではない装備で敢然と立ち向かったアメリカ空母部隊。戦術的勝利を得ながらも戦局を有利に導けない日本海軍を、アメリカ海軍は時に痛打し、チャンスを窺い、着々と追いつめてゆく。太平洋戦争の帰趨を決した、五つの空母対決を分析する! 他 この雑誌について 日本・世界の歴史をダイナミックに取り上げる
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以下は、歴史群像 2014年 10月号 [雑誌]に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
一冊の雑誌としてはバラエティに富んだ飽きさせない内容であり、価格分の価値は十分にあると思います。その上で批判的なことを書きますが、表紙に大きく掲げられた田村氏の「日米空母撃滅戦」の内容にはやや疑問を感じます。当該記事は太平洋戦争における日米の空母対決を紹介し、彼我艦載機の相手機動部隊の到達率、防空システムの突破率、爆撃、雷撃の命中率などを算出して、定量的な分析を試みようとする内容です。しかしながら、その内容には疑問があります。例えば珊瑚海海戦に関して、偵察機の目標誤認から給油艦ネオショーを攻撃した七日の日本側の攻撃はカウントされない一方で、MO攻略部隊の祥鳳を撃沈した米側の攻撃はカウントしています。これは対空母戦闘を定量化するという意味では正しいかもしれませんが、両軍機動部隊が相手主力の撃破を目指して行動していたこと考慮していない数字です。結果的に祥鳳を撃沈しているものの、一般的に七日の戦闘は索敵のミスから両軍機動部隊は相手の補足に失敗したと評価されており、その意味では田村氏の算出する数字は作戦目的を反映指していない、数字のための数字となっています。これはミッドウェー海戦やマリアナ沖海戦の分析でも同様です。ミッドウェーの米軍、そしてマリアナでの日本軍は、基地航空隊と空母機動部隊の共同によって敵機動部隊の迎撃を試みています(米軍が成功し、日本軍が失敗したという差はありますが、基本的な構造は同一と考えてよいでしょう)が、田村氏は海戦の経緯を説明する中では言及しているこれらの基地航空隊の存在を数値化するさいにはオミットしてしまっています。これは「空母」撃滅戦の記事である以上、当然の処理なのかもしれませんが、海戦全体として見れば、分析の構造をゆがめるものだと思います。端的に言って、この記事は野心的なアプローチを試みてはいるものの、あまり意味のある方法論とは思えません。田村氏本人が記事中で言及しているように空母戦は「博打的」要素が高い戦闘であり、太平洋戦争を通じて空母同士が本格的な戦闘におよんだ例が五例しかないというサンプル数の少なさを考えた時、定量的な分析は難しいと考えるからです。こうした方向で分析をおこなう場合は、もっと慎重に各戦闘の経緯を勘案したり、両軍のドクトリンを考慮したりする必要があるのではないかというのがレビューアーの感想です。目玉記事ゆえにやや厳しく批判し、星を二つ減らしています。購入者がこの記事に拘ることなく、時代や地域のバラエティ豊かな歴史雑誌として本誌を求めるなら星の数を一つ以上増やして評価することも出来るかとは思います。
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