アメリカ会社法 (アメリカ・ビジネス法シリーズ (7))

この本の原書である、ハミルトン教授の”The Law of Corporations in the Nutshell”という本は、アメリカの法律の概説書シリーズ"Nutshell"の最高傑作といわれているくらい有名な本。私は通っていたロースクールの教授から勧められただけでなく、いろんなアメリカ人法律家から「あれはいいよね」という誉め言葉を聴かされた。ただし、本書の内容は結構古い。訳書である本書は出版されたのが1999年。原書の最新版も2000年以降改訂版が出ていないので、その後のSOX法などの重要な新法の制定などはフォローし切れていないという欠点がある。とはいえ、コンパクトにアメリカ会社法をまとめた名著で原理原則的な部分では今でも役に立つ本だと思う。記述のバランスという意味では、米国会社法よりもよいかも知れない。原書のほうがまだ内容が新しいので、原書のほうを読むほうが理想的ではあるが。