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[新装版] 広重ベスト百景 赤瀬川原平が選ぶ
本, 赤瀬川 原平
によって 赤瀬川 原平
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内容紹介広重の風景をこよなく愛する赤瀬川原平さんが見つけ出した広重の空気感、空間の気持ち良さとは?たっぷり楽しむベスト広重100景。※本書は2000年2月刊『赤瀬川原平の名画探険 広重ベスト百景』(歌川広重/画 赤瀬川原平/文・構成)を再構成したものです。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)赤瀬川/原平 1937年、横浜生まれ。本名、赤瀬川克彦。画家、作家、路上観察家、エッセイスト、写真家など多彩な顔をもつ。武蔵野美術学校中退後、グループ「ネオ・ダダ」を結成、読売アンデパンダン展などで活躍。63年、千円札模型作品を発表し、後に裁判となる。高松次郎氏、中西夏之氏とハイレッド・センターを結成。79年、尾辻克彦の筆名で発表した『肌ざわり』が中央公論新人賞。81年には『父が消えた』で芥川賞、83年には『雪野』で野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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「トマソン物件」の路上観察でも知られる、異能の美術家・作家ならではの広重よみときが爽快です。広重は綺麗とは思っていましたが、これが凄い、と推奨の百枚を並べられ、著者ならではの明快な解説を付されると、その魅力にノックアウトされました。美術家の直観が感じ取ることを、作家の筆で言葉にする、そのコラボ(一人だからコラボではないですが)が絶妙です。まず広重の魅力は「空気感」であること。西洋絵画は印象派にいたって、やっと空気を発見したけれども、広重の絵はその空気の「痕跡感」(煙のかすかなゆらぎなど)を見つけ出す力に長け、また大胆な前景が後景をさえぎる構図によって、絶景がとぎすまされること(「遠近両用絵画」の絶景殺法)。箱庭の楽しさの横溢した山道の風景画、また風景の中に「分布する水分の濃度」の気持ちよさなど、広重の絵は「体内感覚への点火装置」「目の意欲をかきたてる」と指摘しています。作家ならではのこうしたキーワードへの切り詰め方が巧いのと、絵自体の印刷、レイアウトもすばらしく、このお値段ですが愛蔵版になりえます。絵と文章のわりあいは4対6ぐらいでしょうか(広重の時代の年表が巻末にありますが、もちろん研究書ではないです)。後半「東海道五十三次」に関しては、当時の旅行ブームともからめ、客引きの女の暴力、とろろ飯をかきこむあわただしい姿、ひっくりかえりそうな縁台、風に飛ばされた笠を追いかける男、夜逃げの一家・・・と物語をまぶしつつ、「旅の楽しさ」を語ってくれます。著者自身、「路上観察学会」として東海道を歩いてみたそうですが、そんな心はずみも広重と重なるような。タイトルから想像したよりも遙かに豊かで面白い広重論、また赤瀬川本人の感性のきわだつエッセイとしても堪能しました。
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